大阪市天王寺区「ことは整体」

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体動制限考察理論.1

体動制限考察理論では症状を精査し、辻褄の合う原因を見つけだします。

肩甲骨への施術

当院では体動制限考察理論たいどうせいげんこうさつりろんという思考法を用いています。
体動制限考察理論は身体の動きを制限する原因(痛みなど)を、理論的に考察していく思考法です。手技の名称ではなく、座学を示しています。
漢字ばかりの堅苦しい名称ですが、平たい言葉で表現するとすれば、痛みの根本原因を見つけだす整体理論です。
体動制限考察理論には以下のふたつの特徴があります。

  1. 症状を細部まで精査していき、辻褄の合う原因を見つけだす。
  2. 痛みが生じる体動(動作)を考察し、痛みと体動の関連性を紐解く。

このページでは前者の「症状を細部まで精査」をご説明いたします。
それぞれの症状に対して示された原因は、症状との辻褄が合っていないといけません。ですが、そうではないことが思いのほか多いです。症状を細部までしっかりと考察していないからかもしれません。
たとえば腰痛の場合だと、原因は腰椎変位(腰の骨の歪み)であると、端から決めつけられてしまっている感じでしょうか。
ですが、症状をしっかり考察していくと、腰椎変位では辻褄が合わない腰痛も存在します。
体動制限考察理論では症状を細部まで考察し、辻褄の合う原因を見つけだします。
実際にあった症例をもとにして、簡単にではありますが、体動制限考察理論の考え方をご説明いたします。

 症例1

  • 五十代の女性、Yさんの症例です。右膝の内側に痛みがあります。
  • ウォーキング中に膝にグキっと痛みが走り、以後は歩行時に必ず痛みが出るようになりました。
  • 病院の検査では、膝関節に先天的な問題があると告げられたそうです。その問題が膝痛の原因という診断もありました。

体動制限考察理論での見解

膝関節の先天的な問題との診断があったようですが、よく考えてみると辻褄が合っていません。
先天的というのは生まれつきという意味です。もし、生まれつきのものが膝痛の原因ならば、生まれつき膝に痛みがあるはずです。生まれつきの痛みではありませんから、先天的な問題が原因というのは矛盾しています。
それに、Yさんがはっきりおっしゃってます。ウォーキング中に膝にグキっと痛みが走ったと。
でしたら、先天的ななにかが膝痛の原因ではなく、ウォーキング中にグキっとしたさい、どこかを傷めたと考えるのが自然です。
膝に限らず、グギっとした痛みを覚えた場合、その多くが筋違すじちがいの痛みです。Yさんは膝関節に先天的な問題があるのではなく、膝まわりのすじを傷めたのだと思われます。

 症例2

  • 四十代の男性、Kさんの症例です。腰の右側に鈍い痛みがあります。
  • 痛みがある正確な位置は、腰の骨(背骨)から7〜8cmほど離れたところです。
  • 他院さまでは腰の骨に歪みがある伝えられたそうです。歪んだ腰の骨が神経を挟んでおり、痛みが出ているとの判断でした。

体動制限考察理論での見解

歪んだ腰の骨が神経を挟んでいるというのは、症状と辻褄が合っていないようです。
痛みがあるのは腰の骨(背骨)から7〜8cmほど右横です。腰の骨から7〜8cmほど右横に腰の骨はありませんから、腰の骨が神経を挟むというのは矛盾しています。
腰の骨から7〜8cmほど右横にあるのは筋肉のみです。そのあたりの筋肉を傷めたのだと思われます。

 症例3

  • 二十代の女性、Tさんの症例です。産後に腰が痛くなりました。
  • ご出産直後は痛みは出ていませんでしたが、2ヶ月ほどして痛みが出てきました。
  • 他院さまでは骨盤の開きが原因との判断がありました。骨盤を締めるベルトを購入したのことです。

体動制限考察理論での見解

もし骨盤が開いているとすれば、ご出産直後に最も開いています。そして、時間経過と共に骨盤は徐々に閉じていきます。
骨盤の開きが腰の痛みの原因であれば、骨盤が最も開いているご出産直後に、痛みが最も出ていると考えるのが自然です。ですが、Tさんの腰痛はご出産直後には痛みがなく、2ヶ月ほどしてから痛みが出ています。
骨盤の開きが原因の腰痛というのは辻褄が合いません。
育児中は赤ちゃんを抱っこしたり、添い寝の悪い姿勢で、お身体のどこかに負担がかかるものです。特に腰まわりには負担がかかります。
その負担が蓄積されて、2ヶ月後に腰痛を発症したのでしょう。
つまり、ご出産時の骨盤の開きが原因ではなく、ご出産後の育児で腰を傷めたのだと思われます。

3つの症例における体動制限考察理論をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
どの例も症状を冷静に考察してみると、症状と原因の褄が合っていないと判断できます。

  1. 生まれつきの問題が原因であれば、生まれつき痛みを感じているはず。
  2. 腰の骨から7〜8cmほど右横に、腰の骨はない。
  3. もし骨盤が開いているとすれば、最も開いているのはご出産直後。

この症状の原因はここだと端から決めつけずに、しっかり症状を考察することがなにより大切です。当院は体動制限考察理論に準じて辻褄の合う原因を導きだし、それぞれの症状に対して適切な手技(オステオパシーや日本の古式整体など)を行えるよう努めています。
また、上記の[体動制限考察理論での見解]はあくまで当院の独自の考えとなります。他院さまや病院の判断を否定するものではありません。 次のページでは体動制限考察理論のもうひとつの特徴、「痛みが起きる体動(動作)を詳細な考察」をご説明します。不調と体動の関連性を紐解いていき、根本原因を導きだす過程をお伝えします。